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船酔いの報告は7月31日の夜の点呼時がなんと27名。ところが翌朝は2名。昼間起きているとなんとなく船酔いの気分になり、一夜寝ると治る。最初のサイパンからグァムに行く時は夜間の航行のため団員は眠っているので船酔いがでません。つまり船の揺れに慣れることが先決。「まあ、自分は他の人より少し敏感なんだ、だから最初は酔うんだ」程度に、軽く考えたほうがいいようで、精神的なものもかなりあるということです。
また、気分が悪いと食事をとらなくなるのがかえって良くないようで、少しでも食べておくと胃が動いて気分の悪さは早く治るようです。
もちろん3日目くらいになるとほとんどの人が慣れてきます。
ふじ丸には横揺れを抑える長さ4メートルのフィンスタビライザーがついています。さすが外国航路を走る客船です。
船が揺れると階段の手すりやとっき物に洋服をひっかけて思わぬケガをすることになります。シャツは必ずズボンの中に入れるよう指導されます。もちろんサンダルは禁止です。
居室のドアも風圧でかなり重く手や指を挟まぬよう開け閉めには注意が必要です。

 

航行中は時々小さな島が見えるぐらいで、周りは360度広い海。今どの辺を走っているのかわかりません。朝のつどいの時に「本船は、午前6時現在、北緯何度何分、東経何度何分。サイパンからおよそ何キロ、東京からおよそ何キロ、何々島沖を航行中」と、ふじ丸の位置を教えてくれます。また、船内ロビーには電飾の掲示板があり、およそどの辺を走っているのか掲示してあります。

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8名のちょっと年配の団員?ではありません。全国のB&G海洋センターから選ばれて所長研修でふじ丸に乗船しているのです。団員と別メニューで厳しい研修を受けていました。

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また、19回の『少年の船』で初めてインターナショナルスクールの生徒が12名乗船しました。中には日本語があまり話せない生徒もいましたが、もちろん全員日本の団員と同じ研修を受けました。最後は日本の友だちもたくさんできたようです。

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食事
8月2日の夕食は「テーブルマナー」の実習です。チーフスチュワーデスの土屋さんの指導で、フォークやナイフの使い方を教わります。よくわからないところは、各テーブルにいっしょに座ったリーダーや指導員、講師等からもアドバイスを受けます。
この夜のメニューは、コンソメのスープ、シーフードグラタンのフローレンス風、メインはビーフデクセルデミグラスソース、それにふじ丸特製パンとバター、アスパラとトマトのサラダ、デザートはハネデュメロンとヨーグルトケーキ、そしてコーヒーがつくフルコース。豪華ですねー。

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ちなみにこの航海では17回の食事をとることになります。航海の楽しみは、遊びと食事と天候といいます。食事は飽きがこないようデッキランチなども考えられていますし、メニューも和洋中とバラエティーに富み工夫されています。朝食には納豆、海苔、梅千しといったものまで用意されています。
特に今回厨房で心配したのが、この夏全国で猛威を奮った病原性大腸菌のO−157。航海用の食材は出発の約2週間前に決めないと用意できないそうで(この時、何が原因かわかっていませんでした)、乗船時の積み込みの際は常時の何倍も気を使い、調理前の手洗い消毒の励行は当然ですが、なるべく熱を通したメニューを考えたそうです。
お陰さまで無事何事もなくて一安心。皆さんも手洗い必ずしてくださいね。
しかし、500人以上の食事をいっぺんにつくるとなると量もすごいです。こ飯は毎日平均120キロも炊くそうです。

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船の中での飲み水は、東京晴海港で積んだものを帰りまで使うことになります。みんなが使う水の量は一日平均15〜160トン。毎日の節水に気をつけましょう。
船酔いがおさまってくるとみんなの食欲もわいてくるようで、普通の食事の他に自動販売機のカップ麺を食べている男性団員がたくさんいました。

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